定義
ムカアブ(アラビア語で「立方体」の意)は、サウジアラビア・リヤド北西部のアル・キラワン地区に計画された、高さ400メートル・幅400メートル・奥行き400メートルの立方体型メガ構造物である。2023年2月にムハンマド・ビン・サルマン皇太子が発表したもので、ニュー・ムラッバ開発の中核となるランドマークであり、完成すれば体積で世界最大の建造物となる。建設は2026年1月、PIFによるギガプロジェクト支出の広範な見直しのなかで停止された。
概要
ムカアブは、ホテル、住宅、商業、エンターテインメント、文化用途にわたり、約200万平方メートルの内部床面積を備えるよう設計されている。その内部構想には、高さ300メートルのらせん状ジッグラト・タワーと、世界最大のAI駆動没入型ドームディスプレイが含まれる。デザインはナジュド建築の伝統を踏まえたもので、AtkinsRealisが手がけ、詳細設計にはAECOMとJacobsが起用された。プロジェクトは公共投資基金(PIF)の完全子会社であるニュー・ムラッバ開発会社(NMDC)が保有する。
掘削は2026年1月の停止前に86%まで進み、1,000万立方メートルを超える土砂が動かされた。当初の2030年完成目標は、約2040年へと修正された。前例のない規模の構造物であるため、構造的健全性、空調、給水、没入型ディスプレイ技術において未解決の工学的課題を抱えている。
主要データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 寸法 | 400m × 400m × 400m |
| 内部床面積 | 200万平方メートル(2,200万平方フィート) |
| 構造用鋼材 | 100万トン |
| 推定費用 | 500億ドル超(ニュー・ムラッバ地区全体) |
| 開発者 | ニュー・ムラッバ開発会社(PIF) |
| 設計 | AtkinsRealis(構想)、AECOM・Jacobs(詳細設計) |
| 建設マネージャー | Parsons Corporation |
| 発表 | 2023年2月16日 |
| 建設停止 | 2026年1月28日 |
| 修正後の完成 | 約2040年 |
| GDP貢献(予測) | 1,800億リヤル(480億ドル) |
| 雇用(予測) | 33万4,000人 |
ビジョン2030における役割
ムカアブは、リヤドを世界トップクラスの都市へと変貌させ、王国を観光、エンターテインメント、テクノロジー主導の体験の目的地として確立するというサウジアラビアの野心を象徴する存在として構想された。その停止は、ビジョン2030のギガプロジェクトをめぐる広範な見直しの一環であり、王国が発表段階の野心から、万博2030、2034年FIFAワールドカップ、AIインフラ投資を優先する実行重視の遂行へと軸足を移すなかで生じたものである。
ムカアブの停止とその含意に関する詳細な分析については、ムカアブ:サウジアラビアの500億ドル立方体とその停止の理由を参照されたい。