サウジアラビアの観光ビザ取得方法
サウジアラビアの観光ビザは2019年9月に導入され、同国を国際的なレジャー旅行者に開放する歴史的な転機となった。それ以前、商用・宗教目的以外の訪問者がサウジアラビアに入国できる手段は極めて限られていた。ビジョン2030の観光戦略の柱をなす観光ビザ制度により、対象国の国民は観光、イベント、レジャー、そしてウムラを目的に同国を訪問できるようになった。申請手続きは簡潔で大部分がデジタル化されており、2030年までに年間1億5,000万人の訪問者誘致という目標を後押しするよう設計されている。
eビザ申請
サウジ観光ビザを取得する主要な方法は、電子ビザ(eビザ)制度であり、Visit Saudiのウェブサイト(visa.visitsaudi.com)またはVisit Saudiのモバイルアプリから利用できる。eビザの申請手続きは完全にオンラインで完結し、通常は数分で終わる。
申請者は個人情報、パスポート情報、旅程、宿泊先を記入するデジタルフォームに入力し、デジタルのパスポート写真をアップロードする。支払いはクレジットカードまたはデビットカードでオンライン決済する。eビザは電子的に発給され、申請者のメールに届くため、大使館への訪問は不要である。
到着ビザ
米国、英国、EU加盟国、カナダ、オーストラリア、日本、韓国などの国民は、サウジの空港や陸路国境で観光ビザを到着時に取得することもできる。到着ビザの手続きは、生体情報の採取、書類確認、料金支払いを入国管理施設で行う。リヤド、ジッダ、ダンマームなど主要空港での処理時間は通常30分未満である。
対象国
サウジ観光ビザはeビザ制度を通じて約49か国の国民が取得でき、これに加えて到着ビザや大使館申請を通じて対象となる国もある。対象国のリストは制度開始以降、段階的に拡大されてきた。eビザや到着ビザの対象に含まれない国の国民は、本国のサウジ大使館・領事館を通じて申請できる。
有効な米国・英国・シェンゲンビザを保有する非対象国の国民も、簡素化された処理の下でサウジ観光ビザの取得資格を得られる場合があり、国際的な旅行者への門戸が広がっている。
ビザの詳細
サウジ観光ビザは、発給日から1年間有効の数次ビザである。訪問者は1回の入国につき最長90日間滞在でき、1年間の有効期間内の滞在日数は通算で最長90日となる。ビザ費用は300リヤル(約80ドル)で、これに義務付けられた医療保険140リヤル(約37ドル)が加わる。総額は約440リヤル(117ドル)となる。
観光ビザでは、レジャー旅行、イベントや祭事への参加、親族訪問、そしてウムラの実施が認められる(ただしハッジは別途ビザが必要)。ビジネス会議も観光ビザで可能だが、就労は認められない。
必要書類
サウジ観光ビザの必要書類は最小限である。申請者には、入国予定日から6か月以上有効なパスポート、仕様要件を満たす最近のデジタル写真、支払い用の有効なクレジットカードまたはデビットカード、そして予定日程や宿泊先を含む基本的な旅行情報が必要となる。
eビザ申請には、招聘状、ホテル予約確認書、復路航空券は不要だが、入国管理官が到着時に旅行計画の詳細を求める場合がある。
渡航時の留意点
サウジアラビアを訪れる旅行者は、現地の法律と慣習に留意すべきである。服装規定は歴史的な要件と比べて緩和されているものの、公共の場では控えめな装いが期待される。飲酒は全土で禁止されている。イスラム教の聖なる月であるラマダン中は、日中の公共の場での飲食や喫煙が制限される。政府庁舎、軍事施設、一部の文化施設の撮影は制限される場合がある。
同国は観光名所を拡充させており、アルウラの古代ナバテア遺跡、紅海(Red Sea)沿岸、リヤドの近代的なエンターテインメント施設、ジッダの歴史地区アル・バラド、アシール地方の山岳景観などが含まれる。Visit Saudiのプラットフォームは、目的地やイベント、実務的な旅行情報を包括的に提供している。
ウムラに関する留意点
観光ビザで入国した訪問者は、メッカとメディナの聖モスクでウムラを行える。これは、別途ウムラビザが必要だった2019年以前の制度からの大きな変化である。ハッジの時期においても、観光ビザではハッジの儀礼への参加は認められず、ハッジ・ウムラ省が割り当てる専用のハッジビザが必要となる。
展望
サウジアラビアの観光ビザ制度は、同国が観光インフラを拡充し、外国人訪問者の増加を目指す中で進化を続けるだろう。対象国の拡大や手続きのさらなる簡素化を含むビザ政策の自由化は、野心的な観光成長目標の追求に伴って進むと見込まれる。